「なぁ、。私はお前のことを愛しているのかもしれない」 「かもしれないって…随分自信が無いんだね」 最初から甘い言葉など期待はしていないけれど、それにしてもこの台詞はいかがなものか。が呆れたようにそう言うと、それが気に入らないらしいレッドは先程の生真面目な顔に不機嫌さを滲ませた。 「自信?自信などあるものか!愛など私の専門外だ」 はいはい、とは笑う。レッドときたらまるで子供のように感情をむき出しにするのだから。けれどはむしろそれを愛した。 「でも、どうしてそう思ったの?」 レッドは自信が無いと言うが、それでもにとっては嬉しい言葉には違いない。自然と声も弾んだ。 けれどレッドの口から飛び出てきたのは、酷く物騒な言葉だった。 「時折お前のことを壊したくなるんだ」 と。予想外の言葉には首をかしげる。 「愛していても?」 「愛しているからこそ!」 だから、とレッドは続ける。 「だからお前のことを壊したくなるんじゃないかと思うんだが、お前はどう思う?」 そんな馬鹿げたことをこの男は真剣に聞いてくるのだ。 なんて人でなしなんだろう! と思う反面、にはそれがとても嬉しいことのように思えてしまって自分も相当いかれているのだなぁ、と改めて実感した。 「貴方らしくて良いんじゃないの」 半ば諦めたように笑うと、気を良くしたレッドは楽しそうに笑っての頬にキスをした。 |